ワークショップを終えて


「成井硝子店/2021夏のワークショップ」
無事に終了しました。

今回のテーマは「感情解放」でしたが、参加者の中に、小劇場で活躍している俳優さんが何人かいたので、新たに「中劇場での演技の習得」というテーマも追加しました。

参加者の皆さんに、常に100人以上のお客さんに見られているという意識で、演じてもらいました。

結果、参加者全員のテンションが上がり、パワーも増大し、それにつられて、感情解放も進みました。

わずか4日間のワークショップでしたが、成果は大いに挙がったと思います。



メニューは4日間とも、以下の3本立てでした。

①二人組朗読
②エチュード
③台本練習

簡単に解説すると、「①二人組朗読」は、有名な小説の一節を一人または二人でお客さんに向かって語りかける練習。

その際、語るのは自分自身。
テキストを正確に語ることよりも、自分という人間がいかに語るかを見てもらう。

舞台の上で、自由で伸び伸びとした、ショーマンシップに溢れた、楽しい自分になることが目標。

また、二人組でやる時は、相方と息を合わせてやらなければならない。
一人で勝手に楽しむのでなく、相方と協力して楽しく演じることを学んでもらう。



「②エチュード」は、「インタビュー」「ディベート」「スピーチ」「漫才」「コント」の5種目。

やはりどれも自分自身で演じる。

こちらは台本がないので、「受ける」「かける」をしっかりやらなければ、会話は成立しない。

また、「何をしゃべろう」と考えていると、間が空いてしまって、やっぱり会話にならない。
ゆえに、頭と心を同時に動かすことが必要。

また、「漫才」「コント」は、プロの芸人さんではないので、おもしろいものにはならない。

が、つまらないネタを、羞恥心を捨てて、堂々と演じることで、感情解放が進む。
と同時に、笑いのセンスも磨かれる。



「③台本練習」は、私・成井豊の作品の中から、登場人物が2人だけのシーンを選び、毎回相手役を替えて、演じてもらう。

台本を使って演技する中で、①②で習得したことを応用してもらう。

テキストはどれもコミカルなシーンなので、単に自然に演じるだけでなく、おもしろく演じることが要求される。

また、100人以上のお客さんが見ているのだから、演技は拡大しなければならない。



以上の①②③の3つは、私が所属する演劇集団キャラメルボックスと、私が教鞭を執っているキャラメルボックス俳優教室で、長年用いてきた練習方法です。

短期間で感情解放を達成させるために開発したもので、全部まとめて、「感情解放のレッスン」と呼んでいます。

今回のワークショップでは、この「感情解放のレッスン」を駆け足で体験してもらいました。

即興で漫才を演じるなど、きわめて高度な練習方法ですが、参加者の皆さんは果敢に取り組み、期待以上の成長を遂げてくれました。

成井硝子店は今後もワークショップを開催していきたいと考えています。
皆様のご参加を心よりお待ちしています。

成井硝子店店主・成井豊

0コメント

  • 1000 / 1000